人前で演奏するという経験を重ねると練習だけでは気付けないようなことを学ぶことができます。
「100回の練習よりも1回の本番」という言葉は言い得て妙だなあと思います。
先日も人前で演奏をする機会がありました。練習してきたことがあまり出せず、全然うまくいかなかった…と演奏直後本当に落ち込んだのですが、後で動画を見て客観的に振り返ると演奏自体はその時ほど気になりませんでした。
個人的な反省点はたくさんあるものの、思っていたよりも数倍出来が良くて、演奏後に周りの人からもらったお褒めの言葉はお世辞じゃなかったということがわかりました。笑
それがわかると自分だけ落ち込んで何かとても勿体ないことをしたなあという思いが後からどんどん湧き上がってきました。今回はこの体験から学んだ本番でのマインドについて考えてみたいと思います。
本番時の脳内会話
まずは私の本番時の脳内でどんなことが起こっていたかご紹介します。
序盤
うーん、ちょっと緊張気味かもしれないな…
ン?いや、ちょっとどころかめっちゃ緊張してるね、手震えてるね!
…あ、でもなんとか持ち直してきたかな?
ギターソロから終わりにかけて
また緊張してきた!手が震える!
なんか微妙に左手ズレて変な音鳴った!!
ああっ!!ラストのフレーズに迷いが出てしまった…
…って思ってるうちに終わっちゃった…
…書いてみたら恥ずかしいくらい生々しい。笑
でもリアルにこんな感じのことを思いながら弾いていました。本人の脳内はこの通りもう大混乱なわけですが、かなり涼しい顔で弾いているらしく全くバレていないのが不思議なくらい。
結果的にみなさんからはお褒めの言葉をいただき、本人はなぜか落ち込んでいるというチグハグした状況になっていました。勿体ない。
本番演奏時のよくないクセ3つ
以前にも「アドリブ演奏と正解探し」という記事で完璧主義が悪い方向に出てしまうことについて触れたことがありますが、今回も完璧主義のクセが悪い方向に作用したと思いました。
私は本番中、この3つの状態になっていました。
- 視野が狭くなっている
- 自分にシビアになりすぎ
- 演奏そのものを楽しめていない
練習時のマインドをそのまま本番に持ち込んでいるような気がします。そして、やっぱりこれってものすごく勿体無いですよね…
せっかく人と演奏していて、人に聴いてもらっているのに、意識が練習の時と同じっていう状況。良くないクセだなあと思いました。
このクセが出るのはその時によって濃淡があるような気がします。練習不足と自覚している時ほどこの状況は起こりやすいかもしれませんね。
本番は練習と切り離す
みなさんも耳がタコになるくらい言われていることと思いますが、本番で100%以上の力が出せるようなミラクルはまずありません。
練習だったらできたのになあ…ということはよくありますが、練習は練習。本番で出せるものが真の実力です。
裏を返せば、本番になっちゃったらもう丸裸。後戻りはできません。笑
それであれば、本番では「これが今の自分の実力」と腹をくくってとにかく楽しむことに全意識を持っていく方が、人生得している感があるなあと思いました。
なので、練習の時には自分にとことんシビアになって良いと思います。むしろ練習の時こそシビアになった方が良いくらい。
そして、本番になったら厳しい自分は一旦捨てる。子供のように楽しむ自分になる。反省会はリアルタイムではなく、後でじっくりやりましょ。ということですね。
本番は想定外も含めて楽しみたい
自分はそうでもないのに、人から見たら結構いい演奏だった、という経験は初めてでした。このギャップがなければ今回の学びはなかったかもしれません。
練習不足とはいえど、人からは評価されたわけですし、この状況を楽しめなかったのは本当に勿体無かったなあと思います。悔しさからようやく気づくことができました。次の本番では、もう少し進歩しているといいなあと思います。
ということで、今回学んだことを格言っぽく言って締めたいと思います。
練習はシビアに、本番は練習のマインドを捨てて純粋に楽しめ!