普段あまり意識することはないと思いますが、歩く時でもそれは同じです。足がついている場所が腰あたりだと思って歩くとぎこちない歩き方になりそうですよね。
今回はギターを弾くときの思い込みと実際とのギャップについてお話したいと思います。
弾くときのちょっとしたコツとして覚えておくと便利ですし、既に無意識でできていた方も意識するだけでより弾きやすくなるはず。
私自身、このことに気づいて意識するようになったら弾きやすくなったのでご紹介していきます!
イメージとの違いに気づく
まずはじめにひとつ簡単な診断をしてみたいと思います!
人がギターを弾いている姿を思い浮かべてみてください。
絵を描こうとしましたが下手くそなのでいらすとやさんのを借りて…たぶんこういうイメージだと思います。

では、お手元にギターがある方は実際にこの絵と同じようにギターを構えて弾いてみてください。
どうでしょうか?
ちょっと右手が辛くなりませんか?
では、今度は身体をもう少し立体的にみてみます。このように構えてみるとどうでしょう?

右手は手前に引き寄せられてコントロールがしやすくなり、左手は体の中心からは遠くなりますが腕の可動範囲が広くカバーできるので弾きやすくなります。
すでに無意識にこの弾き方になっている方もいらっしゃると思いますが、頭で思い浮かべていた構え方と、実際に弾くときの構え方に差があるのではないでしょうか?
ミロのヴィーナスの思い出
旅行でフランスに行った時のことです。フランスといえば、ルーブル美術館。ダ・ヴィンチ・コードという映画の影響もあって、当時の私は興味津々でした。
回るには相当の時間がかかるため、一緒に旅行していたメンバーとは集合時間を決めて、それまで各自で回るスタイルにしました。
有名な作品を中心に回っていったのですが、地図に書いてある展示エリアに着いてもミロのヴィーナスだけなかなか見つからない。
この辺なんだけどなあ、とそのエリアを何回もグルグルしていると、たくさんの観光客に写真を撮られている見たことのない像があることに気づきました。
こんなに写真を撮ってる人がいるけどこれは何の作品だろう?と寄ってみると、それが私の探していたミロのヴィーナスでした。
ミロのヴィーナスは、よく教科書に載っていて見慣れているイメージだとこちらです。

そして、もう一枚。この写真を見ていただければ、私がなかなか彼女を見つけられなかった理由がおわかりいただけると思います。

言われてみればば当然なのですが、彫刻って立体物なんですよね。見る角度によってまったく表情が違う。
私はこの事実に気づいたとき雷に打たれたような感動を覚えました。美術のことはあまりよくわかりませんが、彫刻ってすごい!と思いました。
正直な話、当初楽しみにしていたモナ・リザよりも感動してしまって、この「横向きのヴィーナス」は私の価値観を変える体験となりました。
身体を立体的にとらえる
当たり前ではあるのですが、身体も彫刻と同じで立体的なつくりをしています。平面でとらえてしまうと少しやりづらいことも、立体的にとらえることで解決したりします。
楽器を演奏する方だと、これはボディマッピングという言葉でご存知かもしれません。自分の身体のサイズ感と、楽器のサイズ感を把握していると、身体を動かしやすくなるというお話です。
ギタリストのJulian Lageがワークショップをしている動画を見たことがあるのですが、そこで身体とギターのサイズ感に関する話をしている場面がありました。
ギターを持っていると大きな動きで大変!と思っていたのが、ギターを外したとたんに小さな動きだと気づく…というようなことをお話しされています。
これはまさに身体のサイズ感と楽器のサイズ感を把握するというお話ですよね。Julianの大胆な跳躍フレーズはこの考えから生まれているんだろうな、と思いました。
余談ですが、私はこの動画が大好きで何回も見ています。見ているときの自分の練習ステージによってグッとくる箇所が変わるのですが、同世代のJulianがこのような高次元な気づきを得ているという事実にただただ感動します。また見ようっと…笑
最後に
ギターを弾くときの思い込みと、実際のギャップ、みなさんはどのくらいありましたか?
ギターを弾くときに限らずですが、イメージにとらわれていることというのは意外と身近にあったりします。
既成概念を取り払うことであっさり解決するものというのはよくあることなので、時には俯瞰したものごとを見るというのは大切なことなんだなあと思います。