ライブ本番を終えて「もっとこうしておけば良かった…!」とひとり反省会を繰り広げたご経験はありませんか?
私は緊張しやすくて本番に弱いタイプのため、人よりも本番でうまくいかず、悔しい思いをする確率が高いと思っています。
なので、本番前の準備は入念に行って、演奏以外の部分でも不安要素やトラブルを生む原因を潰しておくことが心穏やかに本番を迎える方法だと思っています。
悔しい思いをした原因が自分の準備不足…ということはできれば避けたいですよね。
今回は、「ライブの準備」にスポットを当てて、いかに本番の不安要素を取り除き、演奏を楽しむことができるかということについて考察していきたいと思います。
演奏面でプレッシャーにどう向き合うかといった対策については「ライブ本番の緊張対策」という記事でご紹介しています。
心穏やかに演奏するための準備とは
私の中で本番に向けた準備は、練習もそうなのですが、ものすごく広い視点で見ると「あらかじめ不安材料を少なくしておくこと」です。
これは、想定内のものはもちろん、想定外となりそうなものも含みます。
例えば、忘れ物をしないように道具の準備をするのはもちろんなのですが、「演奏中に電池切れしてしまうかも…」まで想定して新しい電池に交換しておくとか。
普段の練習では当たり前にできていているところが、本番で想定外になりやすいので、そのあたりも気をつけるようにしています。
やり方は人それぞれだと思いますが、私の場合こういう対策をしています。
- 持ち物チェックリストを作る
- 本番に自分が取る行動を事前にシミュレーションする
- そこで起こりそうなトラブルを想像する
1は遠足のしおりとかでもよく出てくる持ち物リストです。2と3は、この機材をこれに繋ぐ…とかそういうところも含めて想像します。
このあたりの対策に至ったのは、全て自分の失敗からです。自分を過信してはいけない…と思った時の出来事と合わせてご紹介していきます。
準備不足は余計な緊張を生む
私はギターを弾く上で致命的な忘れ物をしたことがあります。それは、ピックです。
当日は知り合いも多い決め曲のセッションだったので他のギタリストからピックをお借りすることができ、なんとかなりました。
ですが、ちょうど演奏する曲にカッティングが多い日で、当時決まったピックでないと落としたり安定して弾けないレベルだったため、使い慣れないピックでの演奏を前に不安でいっぱいになりました。
ただでさえ本番で緊張するタイプなのに、この追撃はかなり痛かったですし、演奏自体はなんとかなったものの、ピックを忘れた後悔が残りました。
私は、はじめはクラシックギターだったのでギターと譜面さえあれば大丈夫!という環境でしたが、今やギターにシールド、ピック、エフェクター…といったように持ち物が増えてきました。
ギタリストは特にそうだと思いますが、本番では常に機材がつきまといます…
エレキギターを始めた頃は機材は楽器とは別のもの、という意識でしたが、演奏を重ねてきて、機材も含めて一つの楽器と言ってもいいくらいだと思うようになりました。
荷物が多くなるだけに、持ち物チェックリストはちゃんと作ろう、と思いましたし、ピックは財布にも入れるようになりました。
経験値とトラブルの先回り
ライブといったらセットで出てくるワードの一つが「機材トラブル」です。機材を使っている限りどうしようもないことですね。
この機材トラブルにおいては、「仕方なかったよね」というもの、「準備すれば対処できるよね」というものの2パターンがあります。
前者は自然現象であったり、会場の問題であったり…自分の準備だけではどうすることもできないものです。こちらはその時に適切な判断をする、リアルなアドリブ力が必要かもしれません。(…ので今回は触れません)
後者は主に自分の問題であるパターン。トラブルを先回りして機材のメンテや準備をしておけるものです。この場合は、想定外のトラブルではありません。準備をすることで回避することができます。
…ちょっと逆説的になってしまいますが、失敗を経験しないと先回りするほどの想像ができなかったりすることもあります。
私は「いくら場数を踏んでも緊張するものは緊張する」と思っている人ですが、準備の質が上がった結果、本番での不安要素が減らせるという意味では「場数を踏むのが大事!」という説は正しいと思います。
ここでもうひとつ、私の失敗談をお話ししたいと思います。
先回りするために失敗も必要?
私は、初めてエフェクターを使用したライブのリハであらゆる人にご迷惑をおかけしたことがあります…
マルチエフェクターであらかじめ作っておいた音色がスタジオでは問題ないように聞こえたけれど、ライブハウスでリハをしてみたら入力が大きすぎて使えないものばかりでリハ時間をたくさん使ってしまいました。
私自身がそのエフェクターを使いこなせていなかったため、結局なんとか使いものになった設定だけ残して本番に臨みました。
そのため曲によってはギターの音が前に出てこなくて、ライブ自体は楽しめたけれど思い通りの音を出すことができませんでした。
初めてならでは…という感じのトラブルですが、この時かなり反省して、その反動で音作りが極端にシンプルになりました。
トラブルは起こさない方が自分の精神面においても、人様に迷惑をかけないためにも良いのですが、失敗の積み重ねがトラブルを回避する意識を育てるのかもしれません。
ライブ自体に意識を全投下する
冒頭にも書きましたが、私は緊張しやすいタイプなので、本番で細かいことを意識しすぎてライブそのものを楽しめなかった…という経験があります。
逆に自分が心の底から楽しめた時ってどんな時だろう…と考えると、共演者の表情を見て自分が何かしら反応していたり、周りの音を聴いて何かしら興奮を覚えた時だったり。
ライブ自体に意識が全投下されている時なんじゃないかなと思っています。
なので、準備不足が原因で余計なところに頭を使っているのはもったいないことです。ライブを楽しむためにも、不安材料を減らしてアタマに余計なことを考える隙を与えず本番を迎えたいですね。
本番に細かいことを意識しすぎて反省したエピソードは「本番のマインドについて考察」という記事でご紹介しています。