せっかくライブに向けて曲の練習をしたのに、ライブが終わって久しぶりに弾いてみたら忘れて全然弾けなかった、というご経験はありませんか?
私はまさにこういうことが多くて、弾いては忘れるの繰り返し。せっかく練習したのに、何か弾いてよ、と言われた時に全然弾けないということが多々あります。
本当は練習した曲はいつでも弾ける状態にして、スッと出てくる自分のレパートリーにストックしたい。
そこで、今回は練習した曲を忘れずにストックしていく方法について考えました。
ロケットえんぴつ方式

ロケットえんぴつ。懐かしいですね。芯が丸まってきたら、先端の芯を抜いて軸のお尻にさし、新しい芯を繰り出すアレです。
この方式、勝手に私が名前をつけましたが、今までの私はまさにこのような練習をしてきました。
- 課題曲を決める
- ライブまで一生懸命練習する
- 本番を迎える
- 新しい課題曲を練習する
- 忘却の彼方
この流れ。
ライブまではそれなりの完成度まで練習するんですが、その後パッタリ練習しなくなって、きれいさっぱり弾けなくなってしまう。
1曲1曲がストックされずに消費されていくのでとても効率が悪いです。
その時その時の演奏を楽しむんだ!と割り切っているのであればそれでも十分ですが、常に弾ける曲がたくさんあったほうが演奏の機会も広がるのかなと思っています。
以前、新しく仕込むには時間がないくらいの日程でライブにお誘いをいただいた時があったのですが、準備できる自信がなくてお断りしてしまったことがありました。
こういう時に、少しでもすぐに引っ張り出せるレパートリーがあったらなあ、と思ったものでした。
三角食べ方式
三角食べ、今ではあまり聞かないかもしれませんが、ご飯やおかずをバランスよく順番に少しずつ食べましょうね、といったものです。
私は一品ずつ食べて、好きなものを最後に食べてしめる派なので、たぶん三角食べ、苦手です…
これも私が勝手に名付けた方法ですが、練習した曲を忘れないようにするには、一定期間ひとつの曲を徹底的にやるのではなくて、複数の曲を並行して長く練習していくのが良いのかなと思っています。
この三角食べ方式、実際にインターリーブ学習法としてカリフォルニア大学ロサンゼルス校の博士が行った実験結果によって効果があるとされているようです。
人間の脳が「知っているパターン」と「知らないパターン」を認識し、複数のことを関連付けて記憶する特性を利用しているため、記憶の定着が良いともいわれています。
以前ギタリストの福田進一さんも、ツイッターで三角食べ方式のような練習方法を示唆されていました。
紹介されていた手法がとても実践的で、「15分〜30分のひとつのプログラムを作って一年間かけてそれを仕上げる」というものでした。
このツイートを見た時「そうそうそれ!!」と思いつつ、実践せずに成長しなかった私がいますが…今度こそ…実践していこう…
思い出す機会を増やして効果を高める
この三角食べ方式、同時並行で少しずつ積み上げていくのですが、最終的な記憶への定着という意味では積み上げたものを思い出す機会をたくさん作ることが重要なのかなと思います。
先日、大学時代によく練習していて最近あまり弾いていなかった曲を弾いてみました。
記憶をたどって弾いていたのですが、思い入れのある曲なだけに、何かあるとたまに弾いていたためか、しばらく思い出しながら弾いていると最後まで通せるようになります。
逆に思い出す機会を作っていなかった曲たちは、冒頭は弾けるけど中盤から全く思い出せないということが多いです。
人間の脳は使わないものは忘れるようにできているので思い出す機会を作っていなければ当然といえば当然ですね。
福田進一さん流に練習するとしたら、プログラムAの練習からプログラムBに移行したあと、たまに差し替え前のプログラムAの曲も思い出すようにするとより強く定着するようになるのではないかと思いました。
最後に
私の最近の音楽活動スタイルは、だいたい3か月に1回くらいのペースで事前に課題曲を決めた合わせイベントに、それに加えて少しずつセッションに行く回数を増やしています。
合わせイベントのほうは今までもそうだったのですが、本番の日に照準を定めて課題曲を練習するロケットえんぴつ方式の練習になりがちです。
一方でセッションは定番のスタンダード曲の中から演奏していく形式なので、三角食べ方式の練習がしやすそうだと思いました。
なので、セッションで思い出す機会を作りながら今年中に3曲くらいはちゃんと弾ける曲を三角食べして消化できるといいかなあと思っています。
そろそろもう少しだけ弾ける人になりたいので、プチプログラムが作れるくらいの練習をしようと思いました。