アドリブを練習されているギター弾きの方は、ほとんどがまずはペンタトニックスケールを覚えた、とおっしゃるのではないでしょうか。
先日「マイナーペンタすごい!」という感動体験がギタリストあるあるだということを知って衝撃を受けました。自分にはその感動体験がない!!って思ったからです。
スケール自体の存在や音列は知っているけれどもつい先日まで意識的に使っていなかったので、ギターをずっと弾いてきたのにほとんどペンタを通らなかったと言ってもいいくらい。
今回は私がようやく奥深さを再認識したペンタトニックスケールとアドリブのお話を。ここからはずっとペンタと統一して呼びたいと思います。
ペンタとの出会い
大学時代、先輩とクラシックギターのデュオの練習をしていた時のことです。その先輩は当時バンドもやっていて、B’zもバッチリおさえている所謂ギターキッズ的な先輩でした。
課題曲の練習がおわった休憩時の雑談で、その先輩がペンタの押さえ方と、アドリブではこれを使って弾けばいい!ということを教えてくれました。
それと、ブルーノートっていうのがあってたまに入れるとかっこいいということも合わせて聞きました。
当時楽譜を見て弾くのが当たり前だった自分は、へー、そんなのもあるんだあ、という感じで感動したというよりも音の聴こえ方と一番有名な指板上の位置の記憶だけが知識として残りました。
ペンタのイメージ
先輩が教えてくれた時に弾いてみせてくれたのが、スケールを上って下ってのよくあるアレです。ペンタってまんま弾くとすごく強烈な印象になりますよね。
私がその響きではじめに連想したのは北酒場でした。細川たかしさんの。なんか、こう…風呂場感?
今でこそ演歌や歌謡曲ってカッコいいなあって思うんですが、当時は古臭くてダサいと思ってました。なので、ペンタ自体にもダサいイメージがついてしまいました。
みなさんの感動とは程遠い第一印象…そのおかげでペンタさんはかわいそうに、過小評価されたまま何年も経過していきます…
ペンタをすっ飛ばしたギターライフ
私の辿ってきた音楽遍歴はペンタと少し離れていました。実際にめっちゃ使うじゃん!!ってなったのがここ数ヶ月くらいの話です。
それまで演奏した曲はクラシック、ミュージカルや映画音楽、たまーにポップス、ジャズ…といった感じでペンタよりもメジャースケールのほうがお付き合いが長い感じ。
音楽理論を習う前に作った曲も当時スケールは全く意識していなかったのですが、後で振り返ってみればダイアトニック、メジャースケールのオンパレード。セブンスコードなし!といった具合。
ロック畑の友人にクラシックっぽいと言われたのもうなづけます。笑
メジャースケールをスケールというかたまりで意識したのもジャズを習いはじめていろいろなスケールを知ってからなのでだいぶ最近です。
体験レッスンで「今までどういうスケールとかポジションやりました?」という質問に対して、スケール?ポジション?何年もギター弾いてるのにやってない…(自分がやってきたことに不安になる)でしたからね…
みなさんのマイナーペンタすごいぞ体験のお話を聞いていると、自分がここまですっ飛ばしてこれたのが逆にすごいなと思います。
今はそれを取り返すように練習しています。先輩の話もっと真面目に聞いてればよかったなー!笑
ペンタの再評価
最近ファンクの曲も少しずつ練習しはじめたのですが、そこでテーマのメロディがほとんどペンタで構成されているということを知って確かに!!となりました。
ペンタって音の選び方や歌い方次第でダサい感じがしないようにできるんですね。それを理解して私の中のペンタ評価が上がりました。
最近はペンタ中心にアドリブを取る練習をしています。このタイミングではじめてのペンタ!!
私のアドリブ練習の入り口はモードスケールでした。基本のメジャースケールを中心に変化音を見る方法だったのですが、これ、音数が多くて複雑なんですよね。
ひらがなを覚える前に漢字を覚えてしまったような感覚です。笑
いろんなスケールを勉強してからの感想ではありますが、変化音を見るときにメジャースケールではなくペンタ中心に見るほうがとっかかりやすいなあと感じました。
もしかしたら、アドリブするときに考えすぎてしまうので、単純化されている方が自分に合っているのかもしれません。
ペンタをすっ飛ばしてしまった身としては、アドリブの練習をするならまずペンタに慣れてからの方がモードスケールに合流しやすいと思いました。
そう考えると、大多数の方がアドリブはペンタから入ったという話は合理的な結果なんでしょうね。ペンタさん、恐れ入ります…
最後に
途中にも書きましたが、ひらがなを覚える前に漢字を覚えてしまう感覚でペンタを華麗にスルーしてしまった私ですが、今になってあわててペンタの練習をしています。
前よりもアドリブの練習が進んでいるような手応えが感じられるので、まずはシンプルなことから順番に積み上げていきたいと思います。
私がペンタに感動するという体験は、もしかしたらこれからなのかもしれません。