練習アイディア

効率的に上達するための練習マップの作り方

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ギターの練習をしていると、たまに「次は何を練習したらいいんだろう?」という状態になることはありませんか?

私は、本番を迎えた直後や、ひとつ決めていた練習内容がある程度クリアできた時など、何か終わった区切りのタイミングでやってくることが多いです。

「ギターが上手くなりたい」という目標は常々持っているのですが、たまにこうした周期がやってくると停滞してしまってモチベーションが下がり気味になることがあります。

このちょっとした停滞を解消するため、自分は何ができるようになりたくて、今どこにいるんだろうということを可視化するため「練習マップ」というものを作ってみることにしました。

実際に作って練習メニューを決める時に活用しているのですが、これがピッタリ自分のやり方にはまったのでご紹介したいと思います。


出来上がり例と構造

私が実際に作った練習マップはこんな感じです。

練習マップ

なんだかいろいろ線で繋がっているのですが、この項目はあっちの項目にも繋がっているよ、ということを表すためのものです。

構造は以下のような感じになっていて、大きく4つの要素に分かれています。

  1. 大テーマ(大きく□で囲んでいるところ)
  2. 中テーマ(小さい□で囲んでいるところ)
  3. 小テーマ(◯で囲んでいるところ)
  4. 細かい練習内容(囲んでいないところ)

私が書いた手順と合わせて、これらの要素について解説していきます。

練習マップ作成の手順

実はこれ、いきなりマップ化せずに、まずは頭の中でぼんやり思っていることを書き出してからまとめました。

具体的には以下のようなステップを踏んでいます。

  1. どういう状態を目指すかの理想像を言語化
  2. 大目的に対して「できるようになりたいこと」を書き出す(中テーマ)
  3. 書き出したものを分類してタイトルをつける(大テーマ)
  4. 中テーマに対して分解できる要素があれば分解する(小テーマ)
  5. マップにして関連する要素を線で繋げる
  6. 各テーマに対する練習方法を考えてマップに書き足す

私が実際に作ったものを例に、それぞれのポイントもあわせて詳しく説明していきますね。

1.理想像を言語化

マップ作成にあたって言語化する理想像とは「こんなギタリストになりたい!!」というものです。

人それぞれだと思うので、それが「◯◯さんみたいなギタリストになりたい!」というものであったり、「◯◯がラクラクできちゃうギタリストになりたい!」というものであったり…いろいろなパターンがあると思います。

ここでは、できる限り解像度を高く言語化しておくと良いと思います。

私の場合は、一言でまとめると「ギターが自在に弾けるようになること」として、以下のようにこういう状態が自在に弾けるということ、というのを定義しました。

  1. 自分の表現でバッキング、アドリブができる
  2. 棒引きではなく、歌えている
  3. 素人目に聴いてもいい音(プッとか変な音がしない)
  4. 弾いていて楽しそうに見えるくらいの余裕がある

2.「できるようになりたいこと」を書き出す

これが一番やりやすいかもしれません。ここでは思いの丈を自由に書き殴っちゃってください。

逆に「できてないと思うこと」も合わせて考えてみると、さらにいっぱい出せると思います。もしかしたら「できるようになりたいこと」よりもいつも考えていることだったりして出やすいかもしれません。

私はここで32項目くらい出しました。全部書くと長くなってしまうので、抜粋してご紹介します。

  1. 指板と度数がリンクしていない
  2. バッキングのバリエーションを増やしたい
  3. リズムに苦手意識があるのを克服したい
  4. アーティキュレーションをつけられるようになりたい
  5. ハンマリング・プリングが上手くない

こんな感じで、粒度がバラバラでもいいので思いつくままに出し切ってみてください。

3.分類してタイトルをつける

思いつくままに書き出したものの中で、似通っていたり、同じことを言っているな、というものが出てくると思います。

それをグループに分類してタイトルをつけて、大テーマにします。

先ほどの私の例でいうと、「指板と度数がリンクしていない」や、「バッキングのバリエーションを増やしたい」がアドリブで弾けるようになるための土台となるものにあたります。

なので、「アドリブ力」というタイトルをつけました。

「ハンマリング・プリング」や「アーティキュレーション」といったものはフィジカル練習をする要素になりそうなので「フィジカル」というタイトルを。

そしてここで私は少し特殊なまとめ方をしてしまったのですが、「フィジカル」や「リズム」に関してはさら「ギターキソ力」というタイトルにまとめてしまいました。

この辺の粒度調整は、ご自身のわかりやすいようにまとまっていれば大丈夫です。あくまでも、自分が練習するガイドにするためのものなので。

4.中テーマに対して分解できる要素があれば分解

今度は先ほどのまとめるといったものとは逆に、分解できるものがあれば分解します。

私の場合は「バッキングのバリエーションを増やす」といった項目を以下のように分解しました。

  1. コードバッキング
  2. 単音カッティング
  3. オブリガード
  4. エフェクト

バッキングって大きく分けるとこんなバリエーションがあるよね、というものを可視化したかたちになります。

ここまでしなくても良いものもありますが、場合によっては練習方法を考えやすくなるので、思いつくものがあれば分解してみてください。

5.マップにして関連する要素を線で繋げる

ここまで分類したものを実際にマップとして書き出します。

このマップは、それぞれの繋がりを可視化することで練習の優先度をつけやすくしたり、自分の現在地を把握するため、1枚の紙か、ノートの見開き1ページといった感じで、全体が見えるようにまとめるのがおすすめです。

私はボールペン1色で文字と記号にまとめてしまいましたが、ご自分が楽しくなるような感じで、絵や写真をつけてみたり、カラーにしたりするのも良いと思います。

このあたりは「偏愛マップ」というものを参考にして書いていたので、こちらの記事を見てご自分に合った書き方を探してみるも良いかもしれません。

6.各テーマに対しての練習方法を考える

最後に、マップに書いたテーマに対しての練習方法を考えます。

余っている場所があればマップに書き込んだ方が見やすいですが、なければマップを見ながら別に練習メニューまで落とし込んで書いておくと効果的です。

練習方法まで考えると、実はマップの中では別の要素となっていたものが、同じ練習方法でクリアできるものが出てきたりします。

私の例で言うと、「指板と度数の関係を理解する練習」がそのまま「バッキングのテンションコード」の練習に繋がったり、「ペンタトニックスケールのポジション」の練習に繋がってきます。

このように、練習方法まで考えていくと課題同士の繋がりが見え、何を優先したらいいのかがはっきりしてきます

私もこれで、まず最優先する練習は「指板の理解」であるということが見えてきました。


練習マップの活用方法

私はこの練習マップを練習メニューを決める時に使っています

どんな練習をして、何をできるようにするかということが練習マップに既に書いてあるので、「どれをやるか」を選ぶだけで良い状態になっています。

私は、練習マップを作った段階で「指板の理解」が最優先であることがわかったので、こちらをはじめに選びました。

また、意識的にしないと普段やらないようなフィジカルな練習もいくつかマップに書き出していたので、5分などの短い時間で毎日やると決めて、メニューに組み込みました。

その結果、ハンマリング・プリングがハッキリ出せるようになるなど早くも練習の効果が反映されてきました。

効果が見えてきたら「できた!」といったようなチェックをつけておくと、自分の現在地も見えるようになり、モチベーションアップにもつながると思います。

このように練習がある程度クリアできたり、次の練習を探す時などに見ることになるので、出来上がった練習マップはスマホで写真を撮って保存しておくなどして、いつでも見られるところにあると便利です。

練習マップは頭の中をまとめたもの

何も考えずにテンプレのような基礎練習をやることは非効率です。私の師匠ソエジマさんもそんな動画を公開されていました。

自分で課題を設定して、それに対してどのような練習をするかを考えるから、効率よく上達することができるのだと思います。

練習マップはその考えたこと、頭の中でモヤモヤっとしていたことをいつでも見えるかたちにまとめた物です。

なので、練習マップ自体よりもそれを作るまでに考える過程の方が大事で、練習マップはその後に振り返るためのガイドのようなものかもしれません。

スマホに保存しておくことをお勧めしましたが、実は自分で考えているものなので脳内に情報が整理されたかたちでインプットされ直しているというのが本当のところです。

頭が良い人はこんなことやらなくてもきれいに整理されているのかもしれませんが…もしモヤモヤしているという方は、ぜひ練習マップ、作ってみてください。

マップ作りが終わって、練習を続けていくぞ!というところのアイディアはこちらの記事でご紹介しています。