作曲

ブルース進行を挟んで土臭い曲を作る

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音楽仲間と共通のお題を決めて作曲チャレンジをしてきたのですが、作った曲それぞれに自分なりにこういう要素を入れて作ってみたい!という裏テーマのようなものがあります。

これは、5年以上前に作曲した時には自分の中になかった「音楽理論」の知識であったり、その時にはなかった自分の引き出しをできるだけ活用したいという意図があったためです。

5年以上前に作った曲は、ギターを弾く手癖や思い浮かんだメロディーを元にコードをつけていくという作り方でしたが、今回の一連のチャレンジはほとんどがコード進行を先に決めてからメロディーをつけるパターンです。

それは、コード進行を勉強したいといった理由からでした。曲を作るのにあたって色々なコード進行を調べて実際に使ってみたりしたので、せっかくだし作った曲を元に紹介していこうかなと思います。


ブルース進行って?

ブルース進行というのは、12小節をワンコーラスとして、度数表記すると以下のようなコード進行です。

| Ⅰ7 | Ⅳ7 | Ⅰ7 | Ⅰ7 |

| Ⅳ7 | Ⅳ7 | Ⅰ7 | Ⅰ7 |

| Ⅴ7 | Ⅳ7 | Ⅰ7 | Ⅴ7 |

百聞は一見に如かずということで、「じゃあ演奏するとどんな感じなの?」という方はこの進行のバッキングトラック動画も合わせてご覧ください。

「ブルース進行」と言っているぐらいですから、「ブルース」を演奏する時に使われるコード進行なのですが…ブルースとは一体どんな音楽?というところについても少しだけ触れたいと思います。

ウィキペディアの解説を引用するとこんな感じです。

ブルース(Blues)は、米国深南部でアフリカ系アメリカ人の間から発生した音楽の一種およびその楽式。19世紀後半頃に米国深南部で黒人霊歌、フィールドハラー(農作業の際の叫び声)や、ワーク・ソング(労働歌)などから発展したものといわれている。

〜中略〜

20世紀以降のポピュラー音楽に幅広く影響を与え、ジャズやロックンロールのルーツのひとつとしても知られている。

Wikipediaより

このウィキペディアの説明を見たからというわけではありませんが、このブルース進行、どこか土臭い感じというか、アメリカの広大な畑が広がる大地とかそういった絵が思い浮かぶんです。

もしかしたら昔見た映画などでそういう映像とともにブルースのような音楽が流れていたからなのかもしれません。

作った曲紹介

「ブルース進行」を入れたい!と思って作った曲がこちらです。後ほど解説しますが、間奏の部分に思いっきり12小節のブルース進行を突っ込んでいます。

「ノープラントラベラー」

「初夏を感じさせる爽やかな歌もの」というお題で作りました。お休みの日に無計画にローカル線に乗り込んで都会の喧騒から離れ、電車の窓から田んぼや畑が広がっている景色を見るようなイメージで作ってます。


メジャーとマイナーの対比

実は、ブルース進行が出てくるのは間奏だけで、序盤の進行は以下のようなメジャーキーの曲でよく使われる進行です。コーラスは「スタンドバイミー」と同じ進行です。

ヴァースの進行
| Ⅰ | Ⅳ |

コーラスの進行
| Ⅰ | Ⅵm | Ⅳ | Ⅴ |

このあたりのシンプルな進行でお題の「爽やかな歌もの」に答えようとしている部分だったのですが、これだけだとすごく味気ない。

そこで、この曲のキモである都会から出た感じをもっと表現するという意図もあって、ブルース進行に登場してもらいました。

ヴァースやコーラスでは、メジャースケール(というよりメジャーペンタ)を主軸にメロディを作っていたのですが、ブルース進行のパートだけ思いきりマイナーペンタでギターソロを入れています

メジャーとマイナーを切り替えることで音的にも景色の変化をつけてみました。結構思いつきでどうなるんだろう?と思いながらだったのですが、個人的にはおもしろい感じにできたかなあと思っています。

ちょっと知識があると曲作りが楽しい

以前に作曲した時には、全く知識がなかったのでこういうことを狙ってやることができませんでした。

少しだけ知識を身につけたり、引き出しを増やすと曲作りにも幅ができて楽しいなあと思いました。

そして、最近一緒に作曲チャレンジしていた感覚派の友人が、知識はないけれど天然でブルース進行の曲を作り出していたことに度肝を抜かれました。

こういうのって、こんな進行が気持ちいいといった記憶がどこかにあって、それを自然とアウトプットできちゃったパターンなんだろうなと思いますが、それにしてもすごい。私にはできないなあと思いました。

私は、ちょっとだけ知識があるので、その曲を聞いて「これブルース進行だよ!!知らないでやったの?すごすぎる!!」と作った本人以上に興奮して楽しんでいました。

「知ってる」ということは、自分で狙ってアウトプットすることはもちろん、人の曲からも色々発見できて楽しいものなのかもしれません。