5月くらいから、音楽仲間と作曲チャレンジをしていて、8曲目が完成しようとしているところです。意外と続くものですね。
この作曲チャレンジ、例えば「チョコレートのCM曲」などといった共通のお題を決めて、それに対して2週間程度の期間で作曲をしています。
その共通のお題とは別に、私はせっかく音楽理論も勉強した中でチャレンジするのだから…ということでひとつひとつに少しだけテクニカルなテーマを設けて作っています。
今回ご紹介するのは、「同主調転調」というものです。簡単にいってしまうと、メジャー⇔マイナーの転調です。それまでは同じキーの中で作っていたのですが、自分の作曲に広がりを持たせるために挑戦してみました。
作った曲と合わせて、この同主調転調についてと、使ってみて陥った思わぬ落とし穴についてもご紹介していきたいと思います。
作曲チャレンジについて、詳しくはこちらの記事に書いていますのでよろしければ合わせてお読みください!
同主調転調とは?
冒頭でも少し触れましたが、メジャー⇔マイナーの転調をするものです。
その中でも同じ主調、例えばCメジャーとCマイナーといったように中心となる音は一緒で、メジャーとマイナーが違う調への転調のしかたをするものを「同主調転調」と言います。
曲を聴いていて、「明るくなった」とか「暗くなった」とか、そういう印象を持つことはありませんか?まさにそのような効果を出すために使います。
後ほど解説しますが、私も急に景色が開けるような、そういう展開のために同主調転調を使いました。
作った曲紹介
同主調転調を使って作った曲はこちらです。はじめのキーはDマイナーですが、途中でDメジャーに転調しています。
「精霊の灯」
「お祭り」というお題で作ったのですが、日本で言うお盆みたいな世界観をイメージして作りました。
先祖の魂を祀っていてちょっと神聖な気持ちになっている前半と、その後みんなで踊ったりしているお祭りの情景が後半という感じでその切り替えに転調を使っています。
同主調転調の罠とコード進行
今回作った曲は、マイナーキーから始まってメジャーキーに転調するので、当初メロディーを大きく変えずにメジャーとマイナーだけで差分を出せると良いなあと思っていました。
なのですが、冒頭マイナーキーのコード進行を「君をのせて」とか「海の見える街」にあるようなジブリ的エモい進行(と私が呼んでいるやつ)にしたため、メジャー転調した瞬間えらいことになり、当初の設計を崩すことになりました。
こちらについて解説します。
まず、マイナーキーのイントロ後冒頭4小節のコード進行を度数表記するとこういう感じです。
| Im7 | Ⅴm7 | ⅥM7 | ⅢM7 |
このコード進行、ルートの動きを見ると実はいわゆるカノン進行です。カノン進行というのは「パッヘルベルのカノン」という曲のコード進行なのですが、だいたいこの進行を使うといい曲ができるという魔法のコード進行。
こちらにいい動画があったので、是非聴いてみて欲しいのですが、カノン進行は、有名なJPOPでもたくさん使われています。
曲を作る中で気付いたのですが、「ジブリ的エモい進行」は、カノン進行のマイナー版だったんですね。なるほど。マイナーになってもカノン進行すごい。
そんな素敵なカノン進行ですが、耳が慣れてくると「ああカノン進行ね」ともなるのです。
私も、この冒頭の進行をそのままメジャーにしてみたら「ああ!!カノン進行になってしまった!!!」という反応になりました。
カノン進行はあまりにも有名すぎるためにメロディーをありきたりなものにすると急激にダサくなるのです…
ということで、今回メジャーキーではマイナーキーの時とコード進行をガラリと変えて、シンプルな進行にすることでお祭り感を出しました。
マイナーキーのダイアトニックを借りる
今回の記事は同主調転調をご紹介しましたが、おまけとして、エンディングにチラッとメジャー→マイナーの一時転調っぽいものを入れているのでご紹介したいと思います。
エンディングのコード進行はこちらです。度数表記にしています。
| Ⅰ | ♭Ⅲ Ⅳ | Ⅰ |
エンディングのキーはDメジャーなのですが、この中でマーカーをした部分だけ、メジャーキーのダイアトニックに含まれない音を使っています。
♭Ⅲ、つまりこの曲のキーではFの音です。この♭Ⅲというのは何かというと、同主調のマイナーダイアトニックコードになります。
ギターの人だとマイナーコードとメジャーコードの違いが3度の音、というとピンとくるかもしれません。
メジャーキーのダイアトニックコードと、マイナーキーのダイアトニックコードを並べて書くとこんな感じです。シンプルに三和音で書いています。
▼メジャーキーのダイアトニックコード
Ⅰ Ⅱm Ⅲm Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅶm(♭5)
▼マイナーキーのダイアトニックコード
Ⅰm Ⅱm(♭5) ♭Ⅲ Ⅳm Ⅴm ♭Ⅵ ♭Ⅶ
メジャーキーの流れの中に一時的に同主調のマイナーキーのコードを入れることで、聴いている人が予想していない変化球的な流れを作ることができます。
今回作った曲では、変化球という効果に加えて、イントロからずっとマリンバのリフっぽいものが入っているのですが、エンディングでマイナーのリフに戻ってイントロのフレーズを振り返る感じで印象付けてみました。
ダイアトニックについて詳しくはこちらの記事でご紹介しています。今回のマイナーキーのダイアトニックコードを借りてくるというのは、ある意味ノンダイアトニックを使ったオイシイ展開とも言えます。
転調があると変化がつけられる
作曲チャレンジも8曲目あたりになってくると、似たような曲ができてしまうなあ…という感じになってきました。
一緒にチャレンジしている友人も、ここから何か新しい要素を入れないと進歩がなくなってしまう!といったようなことを言っていました。
これまで、あまり転調のない曲を作っていましたが、一時的にでも違うキーになるような展開を入れてみたりと変化をつけていかないとだんだん似たような曲に仕上がってしまうのかもしれません。
私のこれからの研究テーマはオイシイ転調になってきそうです。