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バンドでギターアレンジするための時短テクニック

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私がバンドをはじめたのはギターをはじめてから10年以上経ってからでした。始めたきっかけは、単純にやってみたいと思っていた時に、ご縁があってという感じ。

演奏する曲はオリジナルではなく、既存曲のカバーだったりしたわけなのですが…

ギターはそこそこ弾けるし…と思ってはじめてみたら、それまで普通だと思っていたことが普通ではなく、予想だにしないところで大変な思いをしました。

それは、楽譜が配布されるわけではないということ!!

その時の失敗エピソードはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

楽譜が配布されないということは、自分のパートを自分で作るということ。つまり、弾く練習を始める前に弾くことを決める工程が入ります

ギターって担当できる領域が広すぎるがために、弾くことを決めるのに一苦労です。

はじめの頃は本当にこれに時間がかかって辛かったのです…

知識もほとんどないので、何バージョンも音源を聴いて耳コピして、いいとこ取りして、譜面だけ作って力尽き、ろくに練習しないままスタジオに入って怒られたこともありました…

そんな経験をしましたが、今は当時よりもアレンジ作業の時間を短縮できるようになってきたかなあという感じです(腰は重いけど)

この記事では、アレンジの時短に役立ちそうなテクニックをご紹介したいと思います。


時短のための5つのポイント

アレンジで時間を取られてしまう一番の原因が、細かいところまで作り込もうとしてしまうことです。

なので、今回は大雑把に捉え、それっぽくすることを目標にした時短ポイントをまとめました。

  1. まずは構成とコード進行を把握
  2. 使えるものは惜しまず使う
  3. ギターの役割を大雑把に決めておく
  4. 耳コピするならカタマリと雰囲気で
  5. 答え合わせはスタジオで

順番に説明していきますね。

まずは構成とコード進行を把握

いきなり例え話になってしまいますが、プレゼンのスライドを作る時を思い浮かべてみてください。

一枚一枚順番にスライドを作っていくよりも、まずは一番言いたいことを中心に大まかな構成を考えて、全体像を把握してから、スライド作成に取り掛かった方が早く終わりますよね。

楽曲のアレンジもそれと同じで、まずは音源をよく聴いて演奏する曲の構成とコード進行を把握します。

そうすると、どこを集中的に作り込み、どこをコピペで進められるかがわかります

これが見えないまま進めていくと、どの音を弾いているかという細かいところばかりに目がいってしまいます。スライドの文字配置やサイズばかり気にして気付いたら締め切り直前になっていた…というのと同じような展開です。

また、この作業をすることで、後で練習をする時にも曲を覚えるのがスムーズになり、練習の時短にもなります


使えるものは惜しまず使う

「車輪の再発明」という言葉があります。雑にまとめると、無駄な労力をかけるってことです。

車輪の再発明
「広く受け入れられ確立されている技術や解決法を(知らずに、または意図的に無視して)再び一から作ること」を指すための慣用句。誰でも直観的にその意味が分かるように、車輪という誰でも知っていて古くから広く使われている既存の技術を比喩の題材として使った慣用表現で、世界中で使われている。

wikipediaより

耳コピ、目コピだけでどうにかするのは、どうしても他に材料が見つからない時だけにして、先人が作ってくれたものがあればありがたく活用させてもらって、どんどん時短していきましょう!

先人が作ってくれたもの…私がありがたく使わせてもらっているのはこのようなものです。

  1. コード譜(U-fretなど)
  2. コード解析アプリ(YAMAHA Chord Tracker
  3. Youtube(特に再生速度を遅くする機能

使えるものはどんどん使いましょう!

中でもYAMAHA Chord Trackerは、自分の持っている音源をアップロードするとコードを解析してくれるアプリです。iOS、Androidに対応しています。ダウンロードはこちら。

個人的に最強のアプリだと思っています。紹介記事がこちらにありますので、どんなアプリかご興味ある方は読んでみてください!

ギターの役割を大雑把に決めておく

ギターはコードの演奏はもちろん、メロディーっぽいもの弾けるし、リズムっぽいこともできます。

担えることが多いだけに、「ここではこういう担当になろう!」という役割を定めないと、脳内がとっ散らかります。

ご自身のバンド編成に応じて、ギターの担う役割を大雑把に決めておくと良いです。

例えば、ギターが2本あるのなら、コードを担当するのか、ウワモノを担当するのか。とか。セクションによって担う役割が変わるということもあるかもしれません。

大雑把に仮決めして、進めてゆきましょう。「答え合わせはスタジオで」の項目でもお話しますが、スタジオでバンド全体のバランスをみて、役割が変わることもあるので、あくまで仮決めです。


耳コピするならカタマリと雰囲気で

原曲のフレーズが好きだから、それを耳コピして使おうということもあるかもしれません。

音感がある人は良いかもしれませんが、一音一音聴きながら確認してそのまんまコピーしようと思うと大変です。特にギターだと、和音が入るフレーズもありますから…一音一音確認するのは途方もない作業になります。

カタマリで響き、雰囲気を寄せに行く方が時短になります。

勉強のために完コピを目指すわけではないのであれば、雰囲気だけ寄せていきましょう。

なぜならほとんどのお客さんは、ギターのパートだけをいちいち取り出して聴いていないから!響きが気持ち良ければオッケーです。

そして、このカタマリの雰囲気を寄せるコツですが、耳で音の響きを覚えておくと聞き取りがラクです。

「これはdimな響きだな」とか、「この4小節はペンタのフレーズだな」とか、「丸ノ内サディスティック進行ね」とか。大きなカタマリに何かしら名前をつけて呼べるような感じになると素敵です。

ここは経験と知識が必要ですが、実は究極の時短テクニックでもあります。

答え合わせはスタジオで

ここまでバンドで合わせる前の準備について書いてきましたが、これらは初めから完成品ができるわけではないということが大前提です。

バンド練習は、他パートと合わせた時にそのアレンジがどう聴こえてくるかを確認する場です。

なので、合わせてみたらメンバーと音がぶつかるとか、リズムが噛み合ってないとか、全体で音詰め込みすぎ…とか、調整すべきことが出てきます。

最初の段階でガチガチに作り込みすぎると、それを崩して再構築することになってしまう。

せっかく時間をかけたのが水の泡になるので、100点のものを作っていくのではなく、60点くらいのものがちょうどいいです。

プレゼン資料でいうところの、要点のテキストだけ書いてあるぐらいのだいぶ粗い感じ。これで上司に方向性の確認を取るというの、お仕事の現場で見ませんか?

一発目はそんな感じの作り方でOKだと思います。バンド練習を重ねて完成させる気持ちでいきましょう。

まとめ

私がバンドを始めた当初、曲が決まってからスタジオに入るまでのほとんどの時間をアレンジ工程に費やしていました。それはなぜかというと、「完璧を狙いすぎていた」からです。

プレゼンでいうところの、喋ることを全て台本に書いて、一言一句間違わずに喋れるように練習するアレをやっていました。しかも、台本を作り終わって力尽き、スタジオに入って初めて作った台本を読んでいる感じでした…

当然、スタジオでは読み間違えるどころか、台本に誤字脱字。構成も頭に入っていないのでバンド練のはずが譜面を追いかけているだけの時間になっていました。

プレゼンって、一番言いたいことが伝わればどう話してもオッケーなところがあると思います。逆に、話す言葉に囚われて棒読み状態になっていると全く伝わらないこともよくありますよね。

それと同じような感じで、バンドのアレンジは自分の勉強のために完コピをするわけでなければ、仕上がりがそれっぽくなっていれば問題ないと思うのです。

なので、まずは大きなカタマリで捉えて雑に作ってから、スタジオに入った後、細かいところを最適化していくという方法が一番やりやすいですし、無駄な時間を使わないと思います。

その時に意識したいことが、今回ご紹介した以下のポイントです。

  1. まずは構成とコード進行を把握
  2. 使えるものは惜しまず使う
  3. ギターの役割を大雑把に決めておく
  4. 耳コピするならカタマリと雰囲気で
  5. 答え合わせはスタジオで

アレンジに時間がかかって腰が重いという方は、まずは細かいところまで拘らずに、大雑把にやってみてください!

ソロギターのアレンジについては、こちらの記事で詳しくご紹介しているので、ご興味あれば合わせてお読みください!