ギターライフ

仲間と演奏することで得たもの

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これまでのギターライフを振り返ると、ひとりで演奏するよりも、ほかの誰かと一緒に演奏をする時間の方が長かったように思います。

少人数だとギターやマンドリンとのデュオ、バンドから、大規模なものだと100人規模の合奏まで多種多様な編成で演奏してきました。

ひとりで演奏をするのも楽しいのですが、誰かと演奏をする方がひとりでは想像ができないような化学反応が起こったりするものです。

私がギターを続けている理由は、仲間と一緒に演奏することの素晴らしさを知ったからです。今回はその原体験となるエピソードと、仲間と一緒に演奏するということへの私の思いをお話したいと思います。

もし、おうちギタリストで人と演奏をしたことがまだないよー、という方がいらっしゃれば、ちょっとだけ、私の昔話にお付き合いいただけませんか?


初めての感動体験

ギターを始めた中高時代は100人規模の部活で演奏していました。始めたての頃は満足に弾けないレベルなので合わせる練習について行けず自分のことでいっぱいいっぱいです。

正直なところ、2年目くらいまでは後ろでちっちゃな音で弾く程度で、あまり楽しさが見出せず部活をサボることもしばしば。

それでも弾けるように面倒を見てくださる先輩の人柄のおかけでなんとか練習を続け、ある日練習中に突き抜けたような不思議な感覚をおぼえました。それは自分でもわかるくらい上達したという確かな手ごたえでした。

それからギターの練習が楽しくなり、ようやく自分もその部活の一員なんだという自覚が出て練習はサボらなくなりました。

その直後の演奏会本番では初めて「みんなでひとつのものを作った」という大きな達成感を得ました。サボっていた頃には感じなかったなんとも言えない感動だったことを今でもはっきり覚えています。

この感動を体験してから、さらにギターに打ち込むようになり、私の本当のギターライフはここからスタートすることになります。

「あの時」を超えたい

仲間と一緒に演奏することの楽しさを知り、大学進学後も仲間と音楽ができる場所に飛び込んでいきましたが、高校の部活とはちょっと違いました。

何度も演奏会に出ましたが、これまでにあった共演者のパワーや想いのようなものを演奏中に感じる「みんなで作っている感」は薄れ、「こなしている感」を強く感じるようになりました。

当初求めていた「あの時」のような感動には出会えませんでした。

大学生になると高校時代のように部活だけがんばるというわけにもいかず、メンバーの打ち込み度合いがまちまちです。いろいろな人が参加している以上は仕方のないことですが、少し寂しく感じました。

その後、私が人数を絞ったバンド形式で演奏をする環境を選んだのはそのためかもしれません。今も「あの時」超えをしたいという思いでギターを弾いています。


バンドでのライブはひと味違った

私がバンドデビューしたのは、大学を卒業してからです。これまでの学校のつながりとは関係なく、偶然に出会ったメンバーをきっかけに、新たな仲間と活動をはじめました。

たくさんのお客さんの中で何度かライブをすることができたのですが、そこでは自分たちだけではなくお客さんも一体になって楽しんでいる会場の空気がとても心地よく、「あの時」とはひと味違った楽しさを知りました。

当時ライブハウスの音響や照明に慣れていないこともあり、情報量に圧倒され、本番があっという間に終わってしまいました。バンド演奏での楽しさを十分に味わいきれなかったのが少し心残りです。

社会人バンドというものはメンバーの生活の変化に伴って継続が難しくなることがあります。私のバンドもまさにその問題に直面して、現在活動休止中です。

感動を得られる場所を探して

バンドは活動休止してしまいましたが、音楽だけは続けたくて今はセッションイベントに通っています。

セッションも新しい化学反応が起こったり、いろいろな年齢、音楽経験の人が集まったりして楽しいのですが、本番までの過程は個人的な練習になるので「思い入れ」のようなものはあまりできません。

そういう意味では、ひとつのライブを仲間と一緒に作り上げる楽しさは固定バンドならではのものだと思います。

そう思えるのはこれまで一緒に演奏するメンバーに恵まれたからなのかもしれません。私が参加したバンドに出会えたのも、今ギターを続けているのも、「あの時」の感動体験がすべての始まりでした。

この体験がなければ今の私は何をしていたのかわからないというくらい、貴重なものを仲間との演奏を通して得ることができました。

自分で言うのもなんですが、大好きなバンドなので、もう少しそれぞれの生活が落ち着いたらまた一緒に演奏するのがちょっとした夢です。もちろん、「あの時」超えで!

私は音楽活動を通して、「あの時」のような感動を得られる場所をずっと探しているんだろうなあと思います。


仲間がいる場所

私の中で「感動するステージ」に不可欠なのは仲間だと思っています。

本番の感動するくらいの瞬間的な熱量を生み出せるのは、上手い下手とかではなくて、本番に至るまでの仲間とのドラマがあるからだと思うのです。

話が少し飛んでしまいますが、高校野球で感動するのって、甲子園に出るまでの道のりが語られたり、3年生にとっては最後の舞台での大勝負、という前提があったりして、ドラマを生んでいるからだと思いませんか?

そういう意味で、音楽活動が心から楽しいって思えるのは、仲間がいるからなんじゃないかなと思うのです。

もし、まだ他の人と演奏したことがないという方には、仲間を見つけられるような音楽活動も一度試してみて欲しいなと思います。