練習アイディア

バンド活動カルチャーショック 音作りのはなし

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クラシックギターやアコースティックギターを中心に演奏してきてからバンド活動を始めると、それまでとは違った環境に戸惑うことがあります。

特に大きな違いといえばアンプやエフェクターを使ったりと、音作りが楽器そのものだけではなく、機材にも及ぶことです。

これは私の中では今でも課題であり、上手く使えるようになりたいと思っていることでもあります。ライブを何回か経験した今はまだマシな方かもしれませんが、バンド活動を始めたての頃はだいぶひどいものでした。

以前「バンド活動カルチャーショック 譜面のはなし」という記事で譜面についてお話しましたが、今回は音作りを通して学んだことをライブでの失敗エピソードもまじえてお話したいと思います。


ビギナーあるある

適正な音量がわからない

バンド練習で初めてスタジオに入った時、曲に入る前に音出しして音量バランスのチェックをしたら予想以上にまわりの音量が大きくて、どのくらいがちょうどいいのかがまったくわかりませんでした。

バンドを始める前まではアコースティックの楽器に囲まれていたので演奏時に発する音量の幅は限られていました。たとえ100人集まろうが耳に馴染んでいる音量がバンド演奏のものとはまったく違います

耳に馴染んできれいに聞こえると思うボリュームにアンプを設定すると埋もれて全然自分の音が聴こえない。逆にボリュームを上げると聞こえたくないノイズまで拾われてしまい、結果的に弱気な設定にして中途半端になる

そんな感じで結局適性の音量がよくわからないまま練習を続けていました。

エフェクターで更にわからない

実は私がバンド活動したい!となった時、勢いあまって2つのバンドをかけもちすることからスタートしました。1つは洋楽おしゃれ系中心のバンド、もう1つが私含めてバンド経験の浅いメンバーで構成されたビギナーバンドでした。

前者はエフェクターをほとんど使わずにどうにかなったのですが、後者は「けいおん!」の曲にもチャレンジするようなバンドだったので、はじめからゴリゴリにエフェクターを使う状況でした。

エフェクターの勉強も兼ねてマルチエフェクターを購入し、説明書とにらめっこしながら音源に近しい音色を作ってはスタジオ練習で手直しということを繰り返していました。

エフェクターの設定は本当に難しくて、歪ませると音が埋もれてしまったり、家で設定した時と全然印象の違うキンキンな音になってしまったりで、アンプのボリューム以上にちょうどいいところがわかりませんでした。

それでもなんとかスタジオではそれなりに音作りできたと思っていたのですが…

リハーサルでとんでもないことをする

ビギナーバンドのライブで起こった出来事です。すでにもうひとつのバンドでライブハウスデビューはしていたのですが、その時はエレアコをDIに繋いでの演奏だったため、エレキギターとエフェクターを使ったライブとしては初めてでした。

ライブハウスでのリハーサルではクリーンや歪みなど、音色の違いによってサウンドチェックが行われます。何も知らずにライブに臨んだ私はここで2つの失敗を犯しました。

まず、5曲予定しているセットリストそれぞれにマルチエフェクターの設定を作ったために自分のサウンドチェックばかりに時間を使ってしまったことです。

さらに、エフェクターが盛り盛りの設定になっていたので、スタジオではなんともなかったのですが、ライブハウスでは音量が大きすぎた上に、エフェクターを重ねすぎてその場ですぐに調整できずPAさんに無理と判断されてしまいました

結局5曲ぶん作ったうちの少し歪ませたくらいに設定していた2つしか使える設定が残りませんでしたが、残っただけマシだったと思っています。

この時のライブが友人が企画した内輪のイベントだったので対バンの人やPAさんには迷惑をかけてしまいましたが笑って許してもらえて本当によかったです…

マルチエフェクターを封印

ライブのリハーサル事件での反省もあり、その後マルチエフェクターはやめてコンパクトエフェクターで音作りをすることに決めました。

マルチエフェクターは初心者にとってエフェクターの種類を耳で覚えられるという意味ではとても勉強になるツールですが、内蔵されている機能やエフェクトの種類が多いため選択肢が広がりすぎて足し算の音作りになってしまいがちな面もあります。

エフェクターの種類はだいたいわかったから、限られた中でできる音作りをしようとコンパクトエフェクターに変えてからは、マルチエフェクターにはお休みしてもらっています。


近くに詳しい人がいる環境

バンド活動をして気づいたのが、だいたいの場合、バンドの中の担当楽器について一番詳しいのは自分であるということです。

ギターやマンドリンのアンサンブルだと同じ楽器の人が仲間内にたくさんいるので情報交換ができるのですが、バンドになるとたとえどれだけ場数を踏んでいる人であろうと各々の楽器以外はあまり詳しくありません。

以前に「ギターが弾けるようになる」ための練習を分解してみるという記事を書きましたが、その中の「機材の使い方を覚える」ための手段として同じ楽器を弾ける友達を増やすというのも有効だと思いました。

そういう意味では固定バンドではなく、同じ楽器の人もたくさん集まるセッションという場は良い環境だと感じます。

本番なしで自分の音は作れない

楽器の弾き方については教えてくれる人はたくさんいるけれど、機材の使い方についてはマニアックなので意外とたどり着けない情報であり、ギター自体を弾くこと以上に実体験をもって学ぶことが多いです。

私自身、2018年は積極的に外に出て弾く機会を増やすようにしていたのですが、その1年で見えてきた音作りの課題は多く、音作りを学ぶには外で人と一緒に演奏することが大事だと思いました。

まだまだ私も音作りの入口に立ったばかりなのですが、納得のいく演奏は本番の経験無しには得られないということをこの1年で感じました。

少しでも外で演奏してみたいと思っているけれど二の足を踏んでいるという方は、まずは失敗してもいいからやってみるくらいの気持ちでどんどん外で演奏の機会を作ってみることをおすすめしたいと思います。