ギターライフ

ギター練習で「ととのう」

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社会に出ると、上司から「ちゃんと考えてから発言しろ」と言われるから、結局、上司が気に入りそうな言い回しを考えていたり、

プレゼンで、上司からつっ込まれると面倒だからと、根拠集めをするうちに、滞りなくプレゼンを終えることが目的になってしまったり・・・

いつの間にか「どう感じるか」よりも「どう動いたら正解なのか」に、意識が向かうように。

そして、何をやるにしても、頭の中が、いっぱいいっぱいで、その場所に心がない感じ。

あっという間に1年経ってしまった・・・1年間、何やってたんだっけ?

こんな経験、ありませんか?

私も、日常生活も、ギターを弾く時でさえ、似たようなことが起こっていました。

考えてばっかりだと、あんまり良いことが起こらないんですよね。

なので、そういう状態から抜け出そうとジタバタしていたんですが、先日、とても良い気づきを得たので、そのお話をしたいと思います。


「ととのう」的な感覚

最近、サウナでの「ととのう」体験をはじめとして、「今、この瞬間に意識を向ける」みたいな流れがきています。

頭の中の「考えごと」から離れる、という感じでしょうか。

その中に「マインドフルネス」というものがあり、それにチャレンジしてみました。

マインドフルネスとは、瞑想によって「今、この習慣に意識を向ける」こと。

パフォーマンスアップの効果があるため、Google社など海外の企業でも積極的に取り入れられていますが、元は仏教の瞑想からきています。逆輸入されたんですね。

瞑想は、Apple社のスティーブ・ジョブズも、習慣として取り入れていたことで有名ですよね。

結論から言うと、この「マインドフルネス」、私はあまり上手くいかなかったのですが・・・

これが、後々の気付きにつながったので、まずはマインドフルネスの体験について、お話しますね。

ちなみに、私が最初に「マインドフルネス」を知ったのは、この本です。

マインドフルネスについて、もっと知りたい人はこちら
MELONブログ(外部サイト)

瞑想は、心を無にするわけじゃなかった

「瞑想」って、どういうものを想像しますか?

私は、漫画にあるような、「心を無にする」ということかと思っていました。

「心を無にするなんて、よくわからない!」

って思っていましたが、実際に本などを読んでみると、やり方は、こんな感じ。

  1. 呼吸に意識を向ける
  2. 気持ちが逸れてしまったら、また呼吸に意識を戻す
  3. これを繰り返す

「なんだ、これなら出来そう・・・」って、思うじゃないですか。

それが、やってみると、意外にも、上手くできないんです。

私は、音声ガイドを聞きながら、チャレンジしてみたのですが、

はじめは呼吸に意識が向かっていても、気になっていることが脳内を通りすぎると・・・

アンコ脳内

明日の仕事のために、アレをやっておかないと。どういう手順でやればいいかな・・・あーでもない、こーでもない・・・

みたいな。

こういう脳内会話がはじまると、だんだん意識を持っていかれて・・・

そこから始まる連想ゲーム。

気付いたら、音声ガイドが終わっていた・・・

そんな感じ。

私は、決めたことを継続するのは、自信がある方なので、習慣としては続いたのですが・・・

マインドフルネスは1年間くらいやっても「上手くいったな」という手応えが、なかなか得られていませんでした。

手応えが得られないまま、もはや惰性で続けていたように思います。

ギター練習で「ととのった」

マインドフルネスをしながら、「うわー、自分ヘタだなー」って思っていたのですが・・・

「上手くいった!ととのった!」という手応えが得られたのは、なんと、マインドフルネスではなく、ギターの練習をしている時でした。

まさか、こんな身近に・・・

しかも、今までギターを弾くのに考えちゃうから、悩んでいたのに!

何の練習をしていたかというと、「アルハンブラの想い出」という曲です。

クラシックギター曲の中でも人気があり、ひたすらトレモロ奏法というもので演奏していきます。知らない人は、動画をチェックしてみてください。特に右手に注目。

曲の最初から最後まで、ずっと右手が規則的な細かい動きをします。ムラが出ないように演奏するのが難しい曲です。

この、右手をコントロールしながら演奏するというのが、マインドフルネス的な、「ととのう」的な感覚とピッタリハマったんです。

どういうことかというと、

演奏するしている間、「あ、弦に爪が引っかかってしまった」とか「あ、粒が揃わなかったな」みたいな思いが過ぎていきます。

そうすると、指の方に意識が集中しすぎて、逆に指の動きが硬くなってしまったり。

でも、それに気付いて、その時自分が出している音だったり、弦が指に当たる感触だったり、自分がいる空間に意識を向け直すと、また演奏が安定していきます。

「これって、瞑想でやってることと同じなんじゃないかな?」

そう思って、逆に瞑想をした時に、このギターを弾いていた時の感覚を取り入れてみると、

「あ、これがうまくいってる状態なのかな?」

と感じることができました。

ギターからマインドフルネスに、「ととのう」を逆輸入したわけです。

私は、瞑想をやるよりも、ギターを弾くことで、マインドフルネスがどんなものなのか、ということを体感することができました。


「体験」の情報量はすごい

マインドフルネスは、最近よく耳にもするし、本もたくさん出ています。

なので、文字の情報として見たことは、アタマでは理解できていました。

ただ、実際にギターで「ととのう」体験をしてからは、

「マインドフルネス」の何が良いとされているのかは、体感しないとわからない、と思いました。

言葉で言われても、やっぱり「良さそうには思えるけど・・・」とイマイチ説得力がない感じ。

そもそも、マインドフルネスは仏教から来ているので、これが「悟った」的な感覚なのかもしれません。

実際に体感することでしか、理解できないな、と。

「アタマで理解すること」以上に「体験すること」に含まれる情報量というのは、多いのだと思い知らされました。

まさに、“Don’t Think , Feel”

「ととのった」ら、感覚に気づくようになった

「ととのう」体験を通して、良かったと思ったことは、

頭の中が「考えごと」でいっぱいな時よりも、自分の「感覚」に気づきやすくなったことです。

気づけるようになったら、得られる情報量が増えました。

これまでも、そこに情報はたくさんあったはずなのに、頭の中が「考えごと」でいっぱいで、気づかなかったんでしょうね。

だから、演奏していても「楽しむ余裕がなく、すぐに終わっちゃった」とか、「気づいたら1年があっという間に終わってた」とか、そんな風に感じるのだと思いました。

小さい子が、時間を長く感じるのは、とにかく、五感でめいっぱい、周りの情報を受け取っているからなんだなあ・・・と。

もし、あなたも「時間が過ぎるのが早い」、「頭の中が、考えごとでいっぱいだ」と、思っていたら、ぜひ「ととのう」を体験してみてください。